共働き夫婦が実践する 子供との質の高い時間を作る方法
共働きのご家庭では、日々の仕事や家事、育児に追われ、お子さんとじっくり向き合う時間がなかなか取れないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に、仕事から帰宅してから寝かしつけまでの時間は慌ただしく過ぎ、子供との関わりが生活のルーティンをこなすだけになってしまうこともあるでしょう。
時間的な制約がある中で、お子さんと過ごす「量」を増やすのは難しいかもしれません。しかし、大切なのは時間の「量」だけではなく、その「質」です。限られた時間であっても、意識的に工夫することで、お子さんとの絆を深め、お子さんの成長を促す「質の高い時間」を持つことは可能です。
なぜ「質の高い時間」が重要なのか
お子さんと過ごす質の高い時間は、お子さんの心身の健全な発達にとって非常に重要です。親からの愛情や関心を十分に感じられることで、お子さんは安心感を得て自己肯定感を育みます。また、親との対話や共同体験を通じて、コミュニケーション能力や問題解決能力も自然と養われていきます。
親にとっても、お子さんとの質の高い時間は、日々の疲れを癒し、育児の喜びを再認識する貴重な機会となります。お子さんの笑顔や成長を間近で感じることは、忙しい日常における何よりの活力となるでしょう。
忙しい中でも質の高い時間を作る具体的なアプローチ
では、どのようにすれば限られた時間の中で質の高い時間を作ることができるのでしょうか。いくつか具体的な方法をご紹介します。
1. 「ながら時間」を減らす意識改革
スマートフォンを見ながら、家事をしながらといった「ながら時間」での関わりを意識的に減らしましょう。お子さんと向き合うと決めた時間は、他のことを中断し、お子さんの目を見て話を聞く、一緒に遊ぶことに集中します。たとえ短い時間でも、親が自分に集中してくれていると感じることは、お子さんにとって大きな安心感に繋がります。
2. 短い時間でも「濃密」に関わる
まとまった時間が取れない場合でも、15分や20分といった短い時間を有効活用しましょう。例えば、
- 寝る前の読み聞かせ
- お風呂でのおもちゃ遊びや歌
- 朝食やおやつを一緒に食べる時の会話
- 特定の絵本やパズルを一緒にやる時間
短い時間でも良いので、「この時間は〇〇ちゃんと一緒に遊ぶ時間」と決めて、そこに全力で向き合うことが大切です。
3. 子供が「主役」になる時間を作る
お子さんが今一番興味を持っていること、したがっていることに寄り添う時間を作りましょう。親主導の遊びや活動だけでなく、お子さんが選んだ絵本を読む、お子さんの考えたごっこ遊びに乗る、お子さんの好きな歌を一緒に歌うなど、お子さんの「やりたい」を尊重することで、お子さんは自分の存在価値を認められたと感じ、より主体的に関わるようになります。
4. 日々のルーティンに組み込む
毎日必ず行うルーティンの中に、お子さんと関わる時間を取り入れましょう。例えば、「夕食後、寝る前に必ず今日あった楽しかったことを一つずつ話す時間」や、「朝、家を出る前に必ずハグをする」などです。短時間でも毎日繰り返すことで、親子のコミュニケーションが習慣化され、安心感に繋がります。
5. 五感を使い体験を共有する
一緒に何かを「体験する」ことは、質の高い時間を過ごす上で非常に効果的です。例えば、
- 近所の公園へ短い時間でも散歩に行く
- 一緒に簡単な料理やお菓子を作る
- 季節の移り変わりを五感で感じながら道を歩く
特別な場所へ行く必要はありません。日常の中にある小さな体験を、お子さんと一緒に五感を使って共有することで、記憶に残り、親子の絆を深めることができます。
6. 感謝や愛情を「言葉」で伝える
日頃から、お子さんに対して「ありがとう」「大好きだよ」「〇〇ちゃんのこういうところ、素敵だね」といった感謝や愛情の言葉を意識的に伝えましょう。言葉にすることで、お子さんは親の愛情をはっきりと感じ取ることができます。忙しい時でも、言葉をかけることは短時間でできます。
7. 夫婦で連携し、一人で向き合う時間を作る
共働き夫婦の場合、どちらか一方がお子さんと向き合う時間を作るために、もう一方が家事や他の役割を担うという連携も重要です。例えば、夫が子供と遊んでいる間に妻が夕食準備をする、妻が子供をお風呂に入れている間に夫が片付けをするなど、夫婦で協力し、一対一で向き合う時間を作る工夫をしましょう。
完璧を目指さなくて良い
毎日、ご紹介した全てを実践する必要はありません。日によってはどうしても時間も心も余裕がない日もあるでしょう。大切なのは、完璧を目指しすぎて自分自身を追い詰めないことです。できる時に、できる範囲で、お子さんと向き合う時間を意識的に持つことから始めてみましょう。
質の高い時間がもたらす効果
お子さんとの質の高い時間は、お子さんの成長や親子関係に良い影響を与えるだけでなく、親自身の心にも良い変化をもたらします。お子さんの笑顔や成長を間近で見ること、お子さんからの愛情を感じることは、日々の忙しさやストレスを和らげ、育児に対する肯定的な気持ちを高めてくれます。結果として、親自身の心の余裕にも繋がるのです。
まとめ
共働きのご家庭で限られた時間の中でも、お子さんと質の高い時間を過ごすことは十分可能です。スマホから離れる、短い時間でも集中する、お子さんの「やりたい」に寄り添う、ルーティンに取り入れる、体験を共有する、言葉で伝える、夫婦で連携するなど、様々なアプローチがあります。
完璧を目指すのではなく、できることから少しずつ取り入れてみてください。お子さんと心を通わせる時間は、きっと日々の生活に彩りと安心感を与えてくれるでしょう。