共働き夫婦が知っておきたい 子供の病気・欠席時の賢い乗り越え方
共働きで子育てをしていると、日々予測不能な事態に直面します。中でも、子供の急な発熱や体調不良による保育園・学校からの呼び出しは、多くの共働き夫婦にとって大きな課題の一つではないでしょうか。仕事の納期が迫っているとき、重要な会議があるとき、遠方への出張が決まっているときなど、親にとって「今、休めないのに…」という状況で子供が体調を崩すことは少なくありません。
こうした状況に直面すると、どのように対応すれば良いのか分からず混乱したり、「周りに迷惑をかけてしまう」という罪悪感に苛まれたりすることもあるかもしれません。特に、育休から復帰して間もない時期は、子供が新しい環境で様々な病気にかかりやすく、体調管理にも気を遣います。
この記事では、共働き夫婦が子供の病気や欠席という状況を、少しでも冷静に、そしてスムーズに乗り越えるための具体的なヒントをご紹介します。事前の準備から発生時の対応、そしてその後に向けた考え方まで、いくつかのポイントを整理してみましょう。
子供の病気・欠席に備えるための事前準備
子供の病気は、残念ながら完全に予測することは困難です。しかし、事前にいくつかの準備をしておくことで、いざという時の混乱を最小限に抑えることができます。
1. 夫婦間での役割分担と方針の話し合い
最も基本的な準備は、子供が病気になった場合にどちらが仕事を休むのか、どのように対応するのかを夫婦で具体的に話し合っておくことです。
- どちらが先に休むのか(例: 最初の1日は夫、翌日以降は妻など)
- どうしても休めない場合の代替案(例: 祖父母に頼む、病児保育を利用するなど)
- 仕事の調整方法(例: リモートワークへの切り替え、業務の引き継ぎ)
など、様々なケースを想定して事前にルールを決めておくと、急な事態でもスムーズに役割分担ができます。
2. 職場の制度・理解を確認する
勤務先の制度(看護休暇、有給休暇の取得ルール、リモートワークの活用など)を把握しておくことも重要です。可能であれば、上司や同僚に、子供が小さいため急な休みや遅刻、早退の可能性があることを伝えておくと、お互いの理解につながり、心理的な負担が軽減されることがあります。ただし、過剰な説明は不要です。必要なときに、冷静かつ正確に状況を伝えることが大切です。
3. 病児保育・病後児保育など外部サービスの情報収集
自治体や民間の病児保育施設、ファミリーサポート、ベビーシッターなどの情報を事前に調べておきましょう。登録が必要なサービスもあるため、利用する可能性がある場合は早めに手続きを済ませておくことをお勧めします。料金や予約方法、利用条件などをリスト化しておくと、いざという時に慌てずに済みます。
4. 「もしも」の備蓄とリスト
子供が病気になったときに必要なものをリストアップし、常に備えておくと安心です。
- 体温計、冷却シート、経口補水液
- 子供用の解熱剤や常備薬(医師に相談の上)
- 看病中の食事(ゼリーやうどんなど消化の良いもの)
- 子供が飽きないための絵本やおもちゃ
また、かかりつけ医の連絡先、病児保育の連絡先、職場の緊急連絡先などをまとめたリストを作成し、すぐに取り出せる場所に置いておくことも有効です。
子供が病気になった時の対応
実際に子供が病気になったり、保育園などから呼び出しがあったりした際に、どのように対応すれば良いのかを段階的に考えます。
1. 冷静な状況判断と情報共有
まずは子供の様子を観察し、症状を冷静に把握します。発熱しているのか、咳や鼻水はどうか、食欲はあるかなど、具体的な情報を確認します。そして、確認した情報を速やかに夫婦間で共有します。どちらが迎えに行くのか、その後の対応をどうするのか、短い時間で方針を決定する必要があります。
2. 職場への連絡と調整
状況が把握でき次第、できるだけ早く職場に連絡します。伝えるべき情報は、以下の通りです。
- 子供が体調を崩したこと(具体的な症状)
- 本日、または明日以降の出勤が困難である可能性
- いつまで休む必要があるか現時点での見込み
- 業務の引き継ぎや対応方法(可能であれば具体的な指示)
曖昧な情報や感情的な伝え方ではなく、事実と現在の見込み、そして業務への影響を簡潔に伝えることを心がけましょう。リモートワークが可能であれば、体調を見ながら可能な範囲で業務を行うという選択肢も検討できます。
3. 看病中の過ごし方と自身のケア
看病中は子供のケアが最優先ですが、看病する側の心身も大切にしなければなりません。
- 可能な範囲で、夫婦で交代して看病にあたる。
- 子供が寝ている間に、短い時間でも休憩を取る。
- 食事や水分補給を忘れずに行う。
- 業務連絡以外は、可能な限り仕事から離れる時間を設ける。
看病疲れで自身の体調を崩してしまうと、家庭全体の負担が増してしまいます。完璧を目指さず、できる範囲で乗り切るという意識を持つことが重要です。
乗り越えた後に考えること
子供の病気や欠席期間を乗り越えたら、それで終わりではありません。いくつかの点を見直すことで、次の機会に活かすことができます。
1. 夫婦での振り返り
今回の対応がどうだったか、夫婦で振り返ってみましょう。うまくいった点、改善が必要な点、お互いの連携はどうだったかなどを話し合うことで、次の「もしも」の際にスムーズに対応できるようになります。
2. 職場への事後対応
休み明けには、サポートしてくれた同僚や上司に感謝を伝えましょう。また、不在中に滞っていた業務があれば、優先順位をつけて速やかに対応します。
3. 心のケア
子供の病気中は、親も心身ともに疲弊しがちです。「ちゃんと看病できたかな」「仕事に穴を空けてしまった」など、様々な思いが巡るかもしれません。しかし、何よりも大切なのは、子供のそばにいてケアをしたことです。自分自身を責めたり、落ち込んだりしすぎないようにしましょう。頑張った自分とパートナーを労う時間を持つことも大切です。
まとめ:備えと連携で乗り越える
子供の病気や急な欠席は、共働き夫婦にとって避けられない壁の一つかもしれません。しかし、事前に夫婦でしっかりと話し合い、役割分担や外部サービスの利用について方針を決めておくこと。職場の制度や理解を得る努力をすること。そして、いざという時に冷静に状況を把握し、夫婦間で速やかに連携すること。これらの備えと対応によって、慌てず、そして罪悪感を抱きすぎずに乗り越えることは可能です。
完璧を目指すのではなく、「できる範囲で」「お互い様に」という気持ちで、この課題に向き合ってみてください。子供の病気を通して、夫婦のチームワークが深まったり、周囲の温かさを再認識したりする機会にもなるかもしれません。この記事が、働くあなたの心の負担を少しでも軽くし、日々の両立をサポートする一助となれば幸いです。